ビッグデータ
ビッグデータの概念自体は目新しいものではありません。社内に埋もれているデータを活用してビジネスの付加価値を生み出すという取り組みは、すでに浸透しています。
それではなぜ、今ビッグデータなのでしょうか。それは、記憶装置の大容量化・価格低下やサーバの情報処理速度の向上で、大量のデータを蓄積・分析する能力が飛躍的に高まったためデータ分析技術が一段と進化を遂げたためと考えられます。
さらに昨今のクラウドコンピューティングの普及により、コスト的に中堅中小企業でも専門的な分析環境の構築が可能になったこともビッグデータビジネスの拡大を後押ししている要因です。
ビッグデータビジネスは、データ資産を保有する一般企業や政府・自治体などのめたサービス事業者だけではなく。サービス事業者にビッグデータの分析技術を提供するI T事業者にとっても、ビジネス拡大のチャンスであると考えられています。
ビッグデータの活用事例
Amazonでは、過去の購入履歴からパーソナライズされた商品のレコメンデーションがサイト上に表示されます。
Googleは検索エンジンから得られるデータを分析し、画面に表示される広告をユーザーの嗜好に最適化しています。
Facebookは、ソーシャルグラフへのAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)を無償公開し、企業がFacebookのソーシャルグラフを使えばよりピンポイントの広告を行えるようにしています。
Appleについては、Mac iPhone、iPadといったインターネットに接続する端末を開発し、それにiTunes、AppStore、iCloudなどのソフトを組み合わせ利用者のデータを確保しているといわれています。
今後の課題
ビッグデータビジネスの課題としては人材の育成があげられます。データ分析スキル、ITスキル、そして、ビジネスプロセスに関するスキルを兼ね備えた人材、いわゆる「データサイエンティスト」の獲得が重要とされています。
しかし、データ分析スキル、ITスキル、ビジネスプロセスに関するスキルはそれぞれ専門性が高く、全てを取得するには多大なプロセスを必要とします。そのためIT企業ではシステムで自動的にデータを分析しビジネスプロセスを可視化するシステムやサービスの提供もはじめた企業もありますが、まだ手探り状態です。
このような人材やサービスが継続的にデータ分析を通じてビジネス上の問題を解決したり、新たなビジネス機会を作り出したりできれば、データの戦略的価値は大いに高まります。