業界を知る

 IT業界は、大きく分けると次の4つに分けることができます。

 ・ハードウェア業界
 ・ソフトウェア業界
 ・通信関連会社・プロバイダ
 ・インターネット業界

 またハードウェア業界とソフトウェア業界を横断する形でシステムインテグレーター(SIer)と呼ばれる情報処理サービス業があります。

 それぞれ概要を説明してみましょう。

ハードウェア業界

 パソコンを始めとするコンピュータを構成している電子回路や周辺機器を扱う業界のことを言います。パソコン、サーバ、ネットワーク機器はもちろんのことスマートフォンもハードウェア業界に該当します。

 最近では、テレビやゲーム機器にインターネット接続機能が付いていたりと、いわゆる「家電」もITを活用するための端末としての機能をもつことが珍しくなくなってきました。

ソフトウェア業界

 大きく分けて2種類に分類されます。オペレーティングシステム(OS)と呼ばれる基本ソフトウェアとアプリケーションソフトです。

 マイクロソフト社を例に挙げるとWindowsというオペレーティングシステム(OS)とWordやExcelなどのアプリケーションソフトの両方を作っているソフトウェアメーカーとなります。

 またアプリケーションソフトにおいても2つに分類することができます。WordやExcelなどパッケージとして販売されているものと、使用する企業の業務に特化したアプリケーション開発です。

 アプリケーション開発においては、オープンソースと呼ばれるコストのかからない技術が使われる傾向があり、そのためオープンソースであるJAVAやPHPなどは主要な開発言語として普及しています。

通信関連会社・プロバイダ

 通信サービスを提供する企業(通信事業者)を総称して「通信業界」と呼びます。通信事業者には2つの種類があり、自ら設備を所有してサービスを提供するのが第一種通信事業者で、NTTやKDDIなどの加入電話事業者、NTTドコモなどの携帯電話事業者、ケーブルテレビ事業者がこれにあたります。

 また、上記の第一種通信事業者から設備を借りてサービスを提供する企業を第二種通信事業者と呼びます。インターネットサービスプロバイダの多くは、NTTなど第一種通信事業者の設備を利用してインターネット接続サービスなどを提供する第二種通信事業者です。

インターネット業界

 大きく分けると、企業間取引(B to B)型と、一般消費者向け取引(B to C)型の2つに分類できます。

 B to B型はホームページ製作やネットワーク構築、インターネット広告代理店などを行なっています。

 B to C型はオンラインショッピング、ポータルサイトの運営、ブログなどの個人情報発信WEBサイトの作成支援、通信インフラの整備などを行なっています。 ネット環境の整備が進み、個人のインターネット利用者の増加に伴い、今後はBtoC型ビジネスがより主流になっていくと考えられています。

システムインテグレーター

 システムインテグレーターとは、システムを構築する際に、ユーザーの業務を把握、分析し、ユーザーの課題を解決するようなシステムの計画立案から、構築、そして保守・運用までを請け負う業務のことです。そして、これらを行う業者をSIerと呼びます。

 さらに、このSIer業界は、設立経緯によって、メーカー系、ユーザー系、独立系と3系列に分けて考えられています。

メーカー系
 日立製作所、NEC、富士通、三菱電機、東芝などのコンピュータメーカーの情報処理部門やソフトウェア開発部門から独立した会社またはそのメーカー傘下に入った会社です。

ユーザー系
 コンピューターシステムを事業活動に活用するあらゆる業態、すなわち銀行、証券、商社、運輸、交通、流通、各種メーカーなど、民間企業の情報システム部門が独立してできたソフトウェア会社。主にグループ企業の案件を受注してシステム構築を行います。最近ではグループ外の企業の案件を受注するユーザー系SIerも増えてきました。

 親会社の業種の業務ノウハウに精通していること。たとえば、交通関係の企業が親会社なら車両運行スケジュールの細部まで把握しています。銀行なら勘定系など広範な金融システムの専門知識を有しています。ユーザー系のソフトウェア会社は、各業種に特有なシステム上の問題点を洗い出すことが強みです。

独立系
 親会社を持たない資本的に独立した会社。ベンチャー企業家が独自資本で創業したケースが多い。メーカーや他のSIerからの下請け業務を行うこともあります。企業系列に属することなく、親会社からの制約も受けないため、ハードウェア選択などの場面で、自由なシステム構成ができるというメリットがあります。

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