そのほかの職種・仕事

 IT業界雑誌や業界ポータルサイトで活躍するテクニカルライター、パソコンスクールなどのインストラクターなど、IT業界には様々な仕事があります。

 ここでは、これまで説明していた仕事以外のITの職種や仕事について説明します。

インストラクターの仕事

 ITやヒューマンスキルなど、自分の専門分野を分かりやすく教える仕事

 教えるだけでなく、研修の企画、カリキュラムやコース、教材の作成まで行う場合もあります。

 ITベンダーは自社製品やテクノロジに関するインストラクタの認定制度を設けているケースが多く、ITを教えるインストラクタの場合、これにパスすることが近道になります。

 一般に、ベンダー系の認定資格は永久的ではなく、新製品が出るたびに試験があり、常に最新テクノロジにキャッチアップする努力が求められるます。

必要なスキル
・ テクノロジに対する知識
専門分野以外にも幅広くテクノロジに興味を持ち、知識の幅を広げる必要がある。

・プレゼンテーション能力
単に話し方がうまいということではなく、受講者にとって理解しやすいホワイトボードの使い方や、講義の間に入れるデモンストレーションの組み入れ方など、トータルなプレゼン力を磨く必要がある。

・講座スタイルの追求
講義の組み立て、資料(文章)の構成などを、より良いものへと改善するためにはどうすればいいかを常に考えなければならない。

研究開発の仕事

 企業の将来の利益に貢献する製品や技術を開発する仕事

 企業の研究は、基礎研究と応用研究に大きく分けられます。基礎研究とは、会社の将来の事業基盤となる製品やサービスの芽を探ることを目的にしています。一方の応用研究とは数年以内の事業化・製品化を目的にしています。広く社会に貢献する研究を行っている大学や国の研究所とは、根本的に目的が異なります。

 不況下にある昨今、企業の研究所は、基礎研究よりも目先の利益に直結する応用研究に注力する傾向があります。

必要なスキル

・情熱と知識
時代が変わっても通用するような基本テーマへの情熱と知識が求めらる。

・応用力
会社の事業領域の変化に自分のテーマを適応させる応用力が必要。

・自己管理能力
チームみんなに迷惑をかけないため、自己管理能力は必須。

テクニカルライターの仕事

 難しい技術を分かりやすく解説する仕事

 テクニカルライターとは、書籍や技術専門誌に解説記事などを書くライターのことです。また、製品マニュアルを作成する人もテクニカルライターと呼ばれます。

 フリーで仕事を請け負う人や、編集プロダクションに属している人などがいます。本業のエンジニアの傍ら、テクニカルライターを兼ねている人も多いです。

必要なスキル
・幅広い分野の技術力と知識
もちろんベースとなる技術力と知識がなければ文章は書けない。しかもできるだけ幅広い分野の知識を習得する必要がある。

・想像力・バランス感覚
技術についてよく分かっていない人の立場に立って、その人にも分かる文章が書けなければならない。

・スケジュール管理能力
いくつかの原稿を並行して請け負う場合がある。

テクニカルサポートの仕事

 ユーザーの悩みを解決する仕事

 テクニカルサポートは、ソフト製品などを販売するITベンダーで自社製品の操作方法やトラブルの解決方法など、ユーザーからの技術的な問い合わせに対応する仕事です。ユーザーを直接サポートする以外にも、マニュアル作成などサポート情報の整備や、新製品の検証作業なども担当します。

必要なスキル
・コミュニケーションスキル
テクニカルサポートは日々ユーザーと会話する。ユーザーが抱える問題を理解し、問題解決方法を分かりやすく説明するためにコミュニケーションスキルは必須である。

・語学力
海外の製品を扱う場合は、海外のエンジニアとやりとりするための英語力が必要となる。

・忍耐
強さ 問題解決に数週間を要することもある。長期間、1つの問題を考え続けられる忍耐強さが求められる。

ハードウエア設計エンジニアの仕事

 ハードウエアのアーキテクチャを設計する仕事

 ハードウエア設計エンジニアは、サーバーやネットワーク機器といったハードウエアを構成する部品を設計するのが主な仕事です。専門性を生かし、プロセッサやきょう体、基板、電気系と、それぞれの役割に応じて業務を進めます。こうした専門家集団をまとめ上げ、一つの製品に仕上げる立場につくのが主なキャリアパスとなります。

 この職種を目指すには、高度な専門性が要求されます。学術的・実務的なバックグラウンドが無ければ、スタートラインに立つのは難しのが現状です。まずは理科系の大学や専門学校などで知識やスキルを磨き、大学院に進むのが理想でしょう。半面、ほかの職種に比べて、即戦力として設計に携わるケースが多いです。

必要なスキル
・大学院修了レベルの電気・電子工学などの専門知識
即戦力を期待される。大学などでの研究や実務経験が必須。

・英語力
ハードウエアの設計は国際色豊かな業務の一つ。英語を共通語とした議論は日常茶飯事である。

・プログラミング知識
設計用ツールに習熟するための基礎知識 LSI設計では、設計にハードウエア記述言語(HDL)と呼ぶ種類のプログラミング言語を使う。 そのため、C言語などプログラミング言語の知識が必要。

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