運用保守

 システムへ新規ユーザー追加などの追加設定作業や更新作業やそのシステムのサービスが提供不可能となる事象を避けるためのリスク回避を前提として業務がなされる。

 例えばコンピュータに故障が発生していないか、不正使用された形跡がないか、障害の兆候があらわれていないか、などといった事を定期的に確認・監査する稼動評価、や日々蓄積される業務データなどを障害の際に復旧させる事ができるようバックアップの取得、保管を行うバックアップ作業などが業務にあたる。

 また、障害が発生した際に障害箇所を調査し原因を特定し、サービス復旧に向けて障害対応をすることも保守にはふくまれます。

 それではIT業界の運用保守の仕事について説明します。

ネットワーク運用エンジニアの仕事

 ネットワークインフラを支える仕事

 ネットワーク運用エンジニアは、主にネットワークエンジニアが設計したネットワークを、実際に構築・運用する職種です。場合によっては、全国・全世界に広がるネットワーク機器や通信回線を本稼働させ、稼働後は運用・監視業務に携わります。

 “動いて当たり前”のように見えるネットワークであっても、その背後ではネットワーク運用エンジニアによる設定の見直しやバグ修正、パッチの適用といった数多くの仕事があります。24時間365日の運用・監視体制を敷く場合は、夜勤業務に従事することもあります。

 キャリアアップは管理職のほか、設計に携わるネットワークエンジニアに転身する道があります。設計と運用でベンダー資格が分かれているわけではないので、スキル次第で適正に応じた路線変更が可能です。

必要なスキル
ネットワークに関する基礎知識
監視対象のことが分からなければ始まらない。特に「マスタリングTCP/IP」(オーム社)シリーズは、ネットワークと名の付く職種で必読の教科書。

・ベンダー資格
ネットワーク機器最大手である米Cisco Systemsの「CCNA」「CCNP」「CCIE」が代表格。CCNAとCCNPは選択式試験のみで取得可能。

・コミュニケーションスキル
トラブル発生時に顧客と向き合う職種のため、限られた情報の中で顧客を納得させる説明手腕が問われることも。

システム運用エンジニアの仕事

 システムの日常管理とトラブル対策を担当する仕事

 システム運用エンジニアの仕事は、情報システムの運用管理オペレーションや監視のほか、ソフトウエアの変更管理、ハードウエア/ソフトウエアの構成管理、IT機器の保守やメンテナンス、データベースの運用、運用時のトラブル解決、ITインフラの提案と整備などです。プログラム開発以外の仕事全般を手がけます。運用上の経験を開発へとフィードバックするため、運用エンジニアが開発の初期段階から参画する重要性が増しています。

必要なスキル
・ コミュニケーションスキル
ユーザーと接する機会を多く持つなど、ユーザーの要望を引き出すために必要。

・大局的にものをとらえる力
システム運用の全体最適化を図ったりユーザーの業務効率化を提言したりするために重要。

・悩みを引きずらない思い切り
日常業務の中でスキルを自然に身に付けて成長していくために必要となる。

カスタマーエンジニアの仕事

 ユーザー企業に納入したIT機器の保守する仕事

 カスタマエンジニアの仕事は、ユーザー企業に納入したIT機器の保守です。コンピュータメーカーや保守サービス会社などに所属します。個々の機器の保守作業のほかに、保守作業に伴うスケジュール調整などの交渉ごとや、営業部隊と客先との関係を取り持つ折衝などもカバーします。

必要なスキル
・コミュニケーションスキル
障害発生時に客先から情報を引き出して原因の目星を付けるために必要。 しゃべるスキル 客先との対話全般や、保守作業時のスケジュール調整などをスムーズに運ぶために求められる。

・好奇心と勉強意欲
保守対象となるIT機器に対する技術知識を習得するために必要。

システム保守エンジニアの仕事

 稼働中のシステムの面倒を見る仕事

 情報システムは、稼働後のメンテナンスが欠かせません。ユーザーからの機能追加/変更に応じてプログラムを改変する、ソフトウエアベンダーが提供するパッチ(修正プログラム)を適用する、リース切れになったハードウエアを交換する、新たなセキュリティのぜい弱性に対処するなど、システム保守の仕事の幅は広いです。

それらを一手に引き受けるのが、システム保守エンジニアという仕事です。

必要なスキル
・ITスキル
システムを構成する要素技術全般。OSやミドルウエア、Webシステムの仕組みなどを知っておくことが必要。

・コミュニケーションスキル
新規開発より自由度が少ない分、要件をより的確に引き出すことが求められる。

・技術知識
必須ではないが、あったほうがいい。業務知識と検査知識だけで、覚えることが山のようにあるので、技術知識を学ぶ暇はなかなかありません。できればこの仕事に就く前に身に付けた方がいい。

・コミュニケーションスキル
リーダーになると、プロジェクトマネジャーとの折衝が増えるため、交渉力などのコミュニケーションスキルが必要になる。

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